2015→2018→2034、ナナシスの黄色い光

僕がTokyo 7th シスターズを始めたのは2015年9月だった。

もう3年になる。最初期から追っている人が多いこのコンテンツでは、古参と呼べるようなもんでもないだろう。

しかし、3年という月日は、やはり長い。

 


 

2015年の初め頃から、声優が歌う音楽をよく聴くようになった。触れたことのない世界で掘る楽しみも大きかった。久しぶりに音楽を聴くのが楽しかった。

そんな中で偶然見つけたのがナナシスだった。TLに流れてきたハジマライブのプレビュー動画に興味を引かれ、ゲームをインストールした。初めてまともに触ったソシャゲもナナシスだった。

Perfumeを思わせるようなエレクトロポップの音楽性は好みに合っていたし、楽曲の質も明らかに他と違っていた。

そして歌詞が良かった。閉じた内輪に向けて歌っているような感じがなく、普通に地に足をつけて生きている人間に向けて歌っているような、あるいは生活に寄り添うような、開けた風通しの良さがあった。高校生の頃に聴いてきたスピッツなんかを彷彿とさせた(ミスチル派ではなかった)。

 

ゲームとしてのナナシスははっきり言って非常にとっつきにくかった。音ゲーがまだ2レーンだったのはゲーム離れしていた人間には良かったが、その他といえばスカウトは連打ゲーで、動作は不安定で、ガチャは回しにくく、スタミナはすぐ切れ、育成は地獄で、ネットの攻略情報もろくにまとまっていなかった。これほど手さぐり状態でソシャゲをやったのは後にも先にもナナシスだけだ。

それでも「曲だけ聴くのは義に反する」的な義務感だけで黙々とやった。粛々とレベルを上げて楽曲を開放し、エピソードを読み進めた。Cocoro Magicalを開放した時の新鮮な感動は今でも覚えている。同時期に始めたTwitterのフォロワーの協力もあってエピソード4Uを読了した頃には、このコンテンツに音楽面以外の期待も持ち始めていた。たしかこのあたりで課金も始めた。

 

当時ゲーム内でよく使っていたのが、通常ガチャと補助チケで奇跡的にGSに覚醒できた夏祭りレナのカードで(CP15・ATK4000超で当時はかなり強い方だった)、今思うとあれも縁だったのかもしれない。

エピソードキーが実装される前のEP1.5の開放手順は本当に渋くて、全員分の読了までにはかなり時間がかかった覚えがある。ナナシスのシナリオは褒められることが多いけれど、個人的には1.0はキャラクター紹介的に見えてしまってあまりピンと来なかった。どちらかというと1.5以降が好きで、レナのEP1.5「シックスティーン・アゲイン」は特に好きなエピソードの1つだった。

 


 

試行錯誤をしながらゲームを進めている時に、初めてのナナスタシスターズからのデビューが発表された。

ユニット名はLe☆S☆Ca。メンバーはキョーコ、ホノカ、レナ。

777とセブンス、ライバルの他はサブキャラ扱いだろうと考えていた当時の自分には(大多数がそうだったと思うが)、結構な驚きだったのを覚えている。実際に運営にとっても777の12人以外をデビューさせるのは、たぶん当初からの既定路線ではなかったと思う。

 

デビュー曲のYELLOW。カップリングのBehind Moon。共に既存のユニットに勝るとも劣らない作り込みだった。

Behind Moonを初めてフルで聴いた時の鮮烈さは今でも忘れられない。美しいイントロのリフ、3人の声が綺麗に出ている高めの歌、「旅を終えた友だちに貰ったミントティーは冬の香りがした」。

爽やか微炭酸系青春ユニットという王道のコンセプトも良かった。

同時にリリースされたSnow in"I love you"と相まって、ナナシスの音楽への信頼はここで絶対的なものになった。

 

2016年の年明け頃になると、TLのプレイヤーも若干増えた。今振り返るとよくあんなもん4人も5人もやってたよなと思うが。

最初に2枚取りできたのはSnow inジャケのスースが報酬だったイベントで、これで最初で最後だろうと思っていたが、その後も律儀にイベントを走り続けることになった。エピソード2.5に合わせて開催された報酬レナのバトライブは真面目に走って3枚取りした。

そして茂木さんが金髪になり、SEVENTH HAVENがドロップされ、 2ndライブが発表された。当然のようにLe☆S☆Caの出演もあった。

 


 

2016年8月21日。ナナシスの2ndライブ「t7s 2nd Anniversary Live 16'→30'→34' -INTO THE 2ND GEAR-」。

何度も繰り返し見てきたハジマライブを遙かに越えたスケール、3時間を超え全曲を歌うステージは圧倒的だった。

SEVENTH HAVENを引っ提げてこのライブのカラーを決定的にしたセブンスシスターズ、秋奈さんの憑依性が全開になったKARAKURI、初めてフルメンバーが揃った4U、12人がバトンを繋ぎ青空のモチーフが決定的になった777☆SISTERS。そしてLe☆S☆Caがデビューした。

レスカのファーストステージは、ところどころは拙くても瑞々しさでいっぱいだった。ゲームの小ネタを引用したYELLOWの「跳ぶよ!」は本当に最高だったし、Behind Moonの振り付けも良かった(後にYELLOWの台詞はキャスト側からの提案で本番が迫ったタイミングで入れられたことが明かされている)。

「そうか、あの子はこんなふうに歌うんだ」という二次元アイドルのライブ特有の魅力に溢れていた。

個人的な話になるが、僕はナナシス2ndが初めて現地で見た二次元アイドルコンテンツのライブで、客席がサイリウムの黄色に染まったのがこの上なく綺麗に見えた。この場所に居合わせられたことをとても幸福に思った。

3人ともSNSをやっていなかったので、終演後は唯一ブログを持っていた吉井さんのブログを読み、コメントを残した。あと当時まだブレイク前だった藤田茜さんにやられてるオタクも目立った。

 

2ndの後に茂木さんが受けたインタビューでLe☆S☆Caに対する言及がある(コンプティーク2016年11月号)。もうそろそろいいかなと思うので引用させてもらうと、以下のように語られている。

「PRIZM♪RIZM」から始まる1stシングルの(…)メドレーがあの位置にあった意味としては、Le☆S☆Caという新米ユニットに「私たち先輩がもう1回見せてあげる」というのもあったんです。Le☆S☆Caが先輩たちに包まれている感じですね。

Le☆S☆Caはそもそものコンセプトが「青春」なのでいろいろと不完全でいいんですよ。いろんな意味で完璧性は求めていなくて、むしろ彼女たちのありのままを見せてほしかったので、練習中もあえて厳しいことは言いませんでした。むしろ自分たちでどれだけやってくるか、どう苦悩するかというほうがよっぽど大事で、ライブ後は他ユニットと比べて後悔した部分もあったのではないかと思いますが、それで次回さらに成長してくれればいいなと思っています。 

Le☆S☆Caは777の12人の後輩であり、未完成のユニットだった。

 


 

2.5についても書いておきたい。

 

2016年後半、トワイライトとタンポポの発表は結構サプライズだったと思う。たしか4Uの新曲(後のLucky☆Lucky)のみが予告されていた。

この年のナナシスはQoPがデビューし、金髪になった茂木さんの気分を反映してか、かなりソリッドで攻撃的な色合いに傾いていた。率直に言うと、2ndライブ後の燃え尽きもあって結構気持ちが離れつつあった。

しかし、新曲トワイライトは完璧だった。僕をナナシスに繋ぎ止めるのに大きな役割を果たしてくれたと言ってもいい。供給ペースがゆっくりなのでドラマトラックも嬉しかった。また温泉に行ってるのに和んだ。

 

そして2017年1月、ナナシス初の大阪でのライブ、「t7s LIVE -INTO THE 2ND GEAR 2.5-」が開催される。

レスカのキャストお三方にとって、このライブは相当大変だったんじゃないだろうか。たしかライブ前のLINE LIVEでも、777の誰かが「レスカは新曲2つもあるから大変」と言っていた記憶がある。

 2.5での大きな変化として、ボーカルの音源被せがなくなった。今から振り返ると3rdでバンドを含めた生音に踏み切る助走だったのだろうが、当時はかなり驚いた記憶がある。 

 

そんな環境で、Le☆S☆Caは持ち曲の4曲すべてを歌った。2ndから半年も経たないうちに新曲2つ追加、誤魔化しの効かないボーカルは相当な労力だったと思う。特にトワイライトはかなり複雑なダンスだった。

実際、生のボーカルはかなり危なっかしさを感じさせるところも多かった。特に植田ひかるさんは本当に頑張ってたと思う。

でも楽しかった。凄く良かった。良かったという言葉が自然に出てくるステージだった。

生のボーカルは完成度という面では代償があったかもしれないけれど、ライブで生まれた現実的な揺らぎが、ナナシスとキャラクターに新しい広がりを生んでいた気がした。

2.5のレスカで今でも目に焼き付いているのが、藤田茜さんがタンポポのソロパートですごく強く声を張って歌っていたところだ。後にラジオで「がなるように歌っちゃって」みたいなことを仰っておられたと思うが、ライブだけでしか起こらない生々しさが本当に良かったと思う。タンポポのコールアンドレスポンスができたのも嬉しかった。

 

アンコールでは777☆SISTERSと一緒にLe☆S☆Caもバトン渡しにも参加した。その光景が嬉しかった。

 


 

そして4thライブがあった。

ナナシス売れたな、と思った。今までも勢いはあったが、明らかにまた一段上の階段を登った。幕張でチケットが先行で売り切れ、譲渡が出回ることはほぼなかった。

自分も1日目だけしか見れなかった。でも十分だった。

Le☆S☆Caが、間違いなくナナシスの4thライブで一番輝いていた。

 

ボーカルはより硬質になったバンドアレンジにも負けずに響いていた。久しぶりに見たトワイライトも完璧に仕上げていた。3rdでもまだ3人揃わなかった振りも完璧だった。安易な物語にしてはいけないと思うが、吉井さんも植田さんも藤田さんもかなりレッスン量増やしてくれたんじゃないかと思う。  

そしてあの挨拶。3曲を歌い終えてからのここで解散するのではないかと思うほどの雰囲気。正確ではないと思うが、覚えている言葉は1つしかない。「ライブに出るの5回目なんだ」。そうしてYELLOWが始まった。

スタンドから見ていたが、広い幕張メッセは一面の黄色に染まっていた。気のせいかもしれないが、今まで一番濃い黄色に見えた。

その頭上で放たれたメッセージは、「今日は私たちの黄色い光を持って帰って」だった。

そんなわたしたちを包むわ

街を染めてくYELLOW

明日も明後日も 変わらない色で

吉井さんも2ndの時のブログで書いているが、Le☆S☆Caの黄色はファンから贈られるのものだと解釈されることが多かったと思う。

でももう違った。5回のライブを経たレスカは光を届ける側だった。それに見合うだけの力があった。

大所帯になったナナシスでのポジションも変わった。3rdでもメモリアルでもセブンスや777が場を暖めた後の序盤で歌っていたのに比べ、4thでは初日は中盤で、2日目ではかなり後ろの方で歌ったみたいだ。聞くところによると2日目の方がこみ上げるものが大きかったらしい。きっと良かったんだろうな。見なくたってわかるよ。 

 

4thはこれまでのナナシスライブの集大成と言ってもいいようなライブだった。これまではライブ1つごとに新しい試みが取り入れられてきた印象があったが、出演したユニットすべてが完成形に到達したと言ってもいいほどの熱量だった。駆け出しのコンテンツからメジャーへの階段に足をかけるようになった成熟を感じた。

 

みんな良かったはずなのに、ライブの後に思い出すのはレスカのことばかりだった。「5回目」と「私たちの黄色い光」がずっと頭の中でリフレインしていた。

熱心に推してきたなんて言うつもりはない。他の人に負けないだけの愛があるとも言えない。

しかし、やはりレスカの5回は僕にとっての5回でもあった。その言葉はナナシスに出会ってからの3年間を振り返らせるのに十分だった。

レスカの言葉が自分の中に一旦のピリオドを打ってくれたみたいな感じだった。次の大型ライブは休むかな、とも思った。

 

2.5のパンフレットに載っているインタビューに、こんな会話がある。

藤田 でも、これからデビューするユニットの方が助走が長いんだよね。

吉井 『Le☆S☆Ca』は序の口?

藤田 たぶん。だから、これから長い助走は『Le☆S☆Ca』だけじゃなく、ほかのキャラクターにも当てはまるんだよ。

吉井 確かに、「ナナスタ」にはほかにもたくさんキャラクターがいるのに、『Le☆S☆Ca』が早くデビューできたのは本当に嬉しいよね。

植田 うんうん!

吉井 『Le☆S☆Ca』がデビューしたから、まだユニットデビューしてないキャラクターのファンの方も期待が持てるって言ってましたよ。

植田 そうだよね!瀬戸ファーブちゃんたちもユニットデビューしたしね!

藤田 そうそう、『QoP(The QUEEN of PURPLE])』ね!

植田 これからどんどん『ナナシス』の輪が大きくなるから、私たちもこれから頑張らないといけないね。

吉井 ライブの回数が増えるごとに先輩になっていく‥‥‥!

藤田 そうだね。次のライブも「『Le☆S☆Ca』良かったよ!」って言ってもらえるように頑張ろう!

この言葉の通り、Le☆S☆Caはすっかり先輩になった。もう777☆SISTERSに守られて歌うユニットじゃない。レジェンドにだって負けない。いや、大げさじゃない、4thはセブンスよりレスカの方が絶対良かった。ほんとだって。

 


 

4thが終わり、自分の中でナナシスに区切りがついたな、と思った。とりあえず次のライブは休む気がするけど、オタクの言うことだからまあ信用ならんな、しれっと行ってるビジョンも普通に見える。

 

何にしても、あの3人が導いてくれるだろう。