ゴールデンレトリバー撫でたい

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10年ぶりにaiko聴き始めました

オタク2019は欠番です。

今年はとにかくaikoを聴き続けました。家でも外でも何聴くか迷ったら即aikoを選曲し続けた。もともと音楽聴き始めの頃にちょうどゼロ年代最高の名盤こと『彼女』がリリースされててよく聴いてたんですが、その後は縁が遠くなっていました。

理由は即答できるんですけど、全部同じ曲に聴こえて飽きてたからです。aikoレベルの歌手に対してわざわざ解説入れる必要ないと思うのだが、歌ってることはひたすら恋愛、伴奏は全部シンプルなバンド、打ち込みもコラボもやらないしサウンドプロデューサーも変えない。コード進行がすごいみたいな話は聞いてましたがバカ耳なのであんまりよくわかってなかった。

そういうわけで1st~7thアルバムまではすべて揃えていましたが、その後はとんと縁が遠くなっていました。

じゃあなんで今年また聴き始めたのかというと、直接のきっかけはこのライブ映像である。

www.youtube.com

ヤバい。超かっこいい。

ガンガンに電飾炊いた野外ステージ、Tシャツにデニムのショーパンとスニーカー、たった1人でバカデカい花道走り回りながらいまだに衰えないボーカル、ビビるほど近いファンとの距離、すべてが完璧だ。

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花道、50メートルあるらしい

そういうわけで最近ほぼCD買わなくなってライブDVD買うことが多くなってたので即買いました。ディスク2枚組(2公演分フル尺)で5000円くらいのめっちゃ充実してる内容だからみんな買ったほうがいいよ。

My 2 Decades[Blu-ray](特典なし)

My 2 Decades[Blu-ray](特典なし)

 

そういう感じでライブパフォーマンスから再びaiko入り直して、今年いっぱいずっと聴いていました。この他にも10周年のライブDVDも買ってそれも観ましたが、そっちも良かった。

驚異的だったのはライブの熱量です。とにかくaikoの運動量とファンの熱気が凄い。そしてファンとの距離が近い。「男子!女子!そうでない人!眼鏡!」の有名なコーレスにも象徴されていますが、徹底的にファンの方を「向いて」歌っている。花道の先まで来た時は律儀なくらい一人一人とタッチするし、MCでは「ここにいる一人一人と1度は目を合わせる」みたいな言葉も出てくる。

このあたりのキーワードは今年ベストを出した時のインタビューにも確認できる。

「あなたとあたし」の関係を描くラブソングが象徴しているように、aikoの楽曲には基本的に「みんなのうた」はない。ライブでは必ずこう言ってから歌に入る。

「1対1で届けます」

彼女はここから先も、かけがえのない「1対1」の関係の輪を大きく広げていくのだろう。

「私の曲を聴いてくれる人と1対1の関係でいたい気持ちは、これからもずっと変わらないです。私が曲として作れるものは、すごくちっちゃい範囲の世界なのかもしれない。それでも私はやりたいし、ずっと続けていきたいんです。新しいアーティストがどんどん出てくるから、そこに対しての怖さはもちろんあります。私なんてまだまだだなぁってすごく思います。だからこれからもやりたいことをどんどん形にして、楽しく頑張っていきたいですね」

「胸が痛くなるような恋愛の感情は、10代の頃と今も一緒」――aiko、ラブソングと歩んだ21年 - Yahoo!ニュース

つまり、aikoの曲は1対1なわけです。いわゆる二人称です。徹底的にファンの方を向いて歌っている。

でもそれって一番難しいんじゃなかろうか。20年間一度も大きな活動休止もせず、聞き手のためにポップミュージックの第一線で歌い続ける。つまり、コラボもせず大きなサウンドの変革もせずメッセージソングも歌わずずっとやってるのはこの裏返しなんじゃないかなという気がする。ライブはラフな格好してるけど、40越えてこの細さと瑞々しさ保ってるのは影で相当ストイックな努力が行われているにちがいない。

今年はサブスクで大物の解禁が目立ちましたが、aikoは解禁しませんでした。おそらく今年解禁してないといよいよアーティスト側が相当な頑固と見なしていいと思うんですけど(山下達郎とか)、それもこういう思想が大きいのかなという気がします。

今年aikoと並んでよく聴いたスピッツにも言えるけど、一度も解散も活動休止もせずコンスタントに活動し続けてるアーティストの凄さを振り返って考えたような年でした。

そういうわけで1年かけて全アルバム聴きました

上に書いたのと矛盾するようですが、13作もまとめて聴くとあーやっぱりキャリア20年の人だけあって移り変わりというのはあるなぁと感じ取れるようになりました。

とは言っても1作ごとにバンドやプロデューサー取っ替え引っ替えしてサウンドガラッと変わるような人じゃないので、ぼけっとBGM代わりに流してるとやはり全部同じ曲に聴こえる。

で、自分なりに便宜上の見取り図としてこのあたりを区切りを入れました。aikoさんサブスクないし…

1st『小さな丸い好日』2nd『桜の木の下』3rd『夏服』4th『秋 そばにいるよ』5th『暁のラブレター』

「花火とボーイフレンドとカブトムシの人」のイメージがこのあたりに全部詰まってる。昔死ぬほど聴きまくってたので細かいとこ見ないで自分の中でひとくくりにしてる可能性もある。とりあえず桜の木の下と夏服聴いとけば良質な日本語ポップスの金字塔みたいな感じなのでハズレはないです。個人的には5th『暁のラブレター』がひじょうに好きでよく聴いてる。M-3「アンドロメダ」とかいう銀河一名曲だけでも聴いてほしい。これだけCCCDなので買い直したい…

暁のラブレター(SACDハイブリット盤)

暁のラブレター(SACDハイブリット盤)

 
6th『夢の中のまっすぐな道

最近よく聴いてる。過渡期と特異性あわせ持ったアルバムだと思う。全体通してアレンジが繊細で美しい。M-1「青い光」がアルバムのカラーを決定的にしていて、曲ごとに見ていくと結構曲のバリエーションあるのになぜかアルバム全体の印象としてはシックで静かで不思議なくらい統一感がある。M-12「三国駅」のようなノスタルジーもあって、20代の終わりの匂いもする。

夢の中のまっすぐな道(SACDハイブリット盤)

夢の中のまっすぐな道(SACDハイブリット盤)

 
7th 『彼女』8th『秘密』

初期の総決算がここだと思う。7th『彼女』は本当に好きな作品でaikoから離れてた時期でも定期的に聴いてた。M-1「シャッター」はオールタイムベスト。シャッターが好きすぎる。

この時期の作品は本当に充実しているので、今年出したベスト買ったり借りたりした人はとりあえずこの時期のシングル「キラキラ」「スター」「雲は白 リンゴは赤」「シアワセ」「星のない世界」「横顔」「二人」だけ拾ってでも聴いてほしい。

彼女

彼女

 
9th『BABY』10th『時のシルエット』11th『泡のような愛だった

今年聴いた(aiko以外も含めた)旧譜の中では10th『時のシルエット』がぶっちぎりで良かったです。本腰入れてaikoの全アルバム聴き直し始めたきっかけでもある。これリアルタイムで聴いてたら色々違っただろうなという思いがある。M-1「Aka」~M-6「冷たい嘘」までの前半の流れが特に素晴らしく、スケールの大きさと張り詰めた緊張感が他の何物にも代えがたい。

菊地成孔大先生がラジオでかけた(おれこの放送リアタイで聴いてた気がする)「くちびる」が収録されているのもこれ。

菊地成孔 本物のブルースシンガー・aikoを語る

aiko、たしかに似たような曲ばっかりだけど、それでもキャリア1歩1歩確認していくと確かに変化しているんですよ。変わらないことと変わることのアンビバレントな二面性みたいなのがaikoの魅力の1つなのかもしれない。

時のシルエット (通常仕様)

時のシルエット (通常仕様)

 
12th『May Dream』13th『湿った夏の始まり』

ここからアレンジャーが変わっています。『May Dream』ははっきりサウンドが違う。亀田誠治プロデュースに変わったスピッツを連想させるような硬質な音になってる。ただそれが悪いってわけでもなくてかなり個性的でおもしろいアルバム。

『湿った夏の始まり』角が取れたきもちいいポップス。M-3「ストロー」M-5「恋をしたのは」とかいう大名曲もある。

湿った夏の始まり[通常仕様盤]

湿った夏の始まり[通常仕様盤]

 

そういう感じで今年は本当にaikoにお世話になりました。まさかここに来てこんなにaikoにたどり着くことになるとは想像もしてなかったのでやっぱり何事も決めつけない方がいいなという感じがします。

ありがたいことに今年のツアーのチケットも地元の取れたので来年も楽しみにしてます。