ナナシス6周年とアニメ化のこと

書きかけで放置してたんですが、弊ブログの被検索キーワードに「ナナシス アニメ」がコンスタントに入り続いていたので書き始めました。

支配人なら全員知ってるいつもの茂木の話をまとめるだけなのでそんなに大した内容はないです。曲だけ聴いてたとか以前から存在は知ってたけどゲームやる気にならなくてアニメ化待ちだったという人向け。

ナナシスが6周年を迎えました。

個人的にも長期間追っかけてる数少ない作品の1つなので感慨深さがあります。

今年は周年発表でついにというかやっとというか、アニメ化が発表されました。

劇場版アニメのようにも見えますが、おそらく正確な形態としてはOVAで、発売と同時もしくは先行して映画館でも上映という形だと思われます。

何年もの間ネクストブレイクとして名前が挙がりながら一向にアニメ化されず、ようやくアニメやるんかと思ったらテレビシリーズじゃないんかいと斜め上ですが、以前から追っかけてた側からすると予想通りというか納得感の強い落としどころだと思います。

そのあたりを順を追って書きます。

ナナシスと茂木伸太郎

まず大前提として、Tokyo 7th シスターズという作品は茂木伸太郎氏というプロジェクトを統括する個人の作家性が非常に強い作品です。

当然こういう複合コンテンツはいろんなクリエイターで作られてるし、たしか本人は作家性って言葉好きじゃないとか言ってた気もするが、私はそれくらい当然の前提で作家性は作家性だろと思うので作家性でいく。

肩書きは「総監督」となっていますが、実質の仕事は総合プロデューサーに近いと思われます。ファン側から(あくまでファン側から)だと、バンドリの木谷さんとかアイマス坂上・石原さんとかああいう感じの言及のされ方をする人です。

ただ、クリエイター的な工程を自ら直接手掛けることが多いのが特徴です。というかむしろプロデュースとか管理よりも自分が直接手を動かす現場仕事の方がメインなのではないかとも思う。少なくとも肩書きを総監督としている*1のは単なる名目だけではないようには感じます。

そもそもの原案に始まり、楽曲の作詞、シナリオの脚本、ライブの演出、映像作品の監督脚本コンテその他にも色々やっているのが確認されています。このあたりは前にも書いた。

ナナシスのストーリーのこと

ナナシスはストーリーに力を入れているタイプのコンテンツです。今はスマホゲーのテキスト面にコストをかけるのはあまり珍しくなくなっていますが、2014年に始まったソシャゲとしてはかなり珍しい方です。当時はまだFGOやガルパはおろかデレステもなかったのだ。

ストーリーの特徴をひとくちで表現すれば「大きな物語」があると言ってもいいかもしれない。始めるとすぐにストーリーに大きな謎や伏線が提示されていて、それが徐々に明かされていく…という構成になっています。2014年時点ではスマホゲーという「いつまで続くか保証がない」媒体でこういうことやるのは珍しい方だった、はずです。

初期のシナリオはクラシックなノベルゲーのノリ延長したようなので個人的にはそんな褒めるほどのもんでもないやろと思ってるんですが(評価する人も多い)、3年目あたりから非常に長く重厚で、思想性やメッセージ性が強いシリアスなストーリーが多くなります。

ナナシスは一生曲がよいよねと言われてるコンテンツですが、入り口が曲だとすれば、その曲で入った奴を繋ぎ止めるのに大きな役割を果たしているのがシナリオです。まあ定着率は…

短編アニメーション『t7s Longing for summer Again And Again 〜ハルカゼ〜』(2017年)

ナナシスの映像作品へのアプローチにはパイロット版的な試みがあります。

それがミュージックビデオの体裁を取った短編アニメーション『t7s Longing for summer Again And Again 〜ハルカゼ〜』(2017年)

ナナシス初の本格的なアニメーションです。個人的な思い出として2016年の2ndライブ(夜の部のみ参加だった)で昼の部終わった時にアニメ化するらしいというネタバレが流れてきてえ~早くない?と思ったんですが、その後MVだよ~って発表見てそれならオッケーってなったというのがある。

これはかなり変わった作品で、アイドルものの楽曲のMVでありながらメインキャラは半分くらいしか出てこない。一方でこのMVのための新キャラと、本編から3年後の新たな舞台設定が用意されていて、新キャラに合わせたストーリーが展開されています。

で、そのストーリーもMVだけだと何なのかよくわからず、メモリアルボックスという限定版に付属している小説や企画書、インタビュー集などを読んでようやく全貌がわかる。

t7s Longing for summer Again And Again ~ハルカゼ~(通常盤)

t7s Longing for summer Again And Again ~ハルカゼ~(通常盤)

 

なんでこんな実験作というかファンアイテムというか非常に微妙な形態のもんをこのタイミングでわざわざ出したかというと、それも付属のインタビューに書いてあって、要するに2015年頃までは「アニメ化の話はほとんど全部蹴った」という話がされている。

正確に言うと持ちかけられたアニメ化の話ほとんどを断って、その中から好感触だった某大手プロデュース会社(なんと文中だと名前伏せられてない)との付き合いから、紆余曲折を経て作られたのがこの『ハルカゼ』、ということになっています。よっぽどのファンじゃないと手に取らないと思いますが、このインタビューはほんとに業界の裏話洗いざらいぶっちゃけられていて面白いので興味持った人はぜひ読んでみてください。

そういった紆余曲折の詳しい内容(本当に紆余曲折したのがわかる)は買って読んで頂くとして、最終的に上の節で書いた通り「総監督が全部自分でやる」といういつものスタンスを貫くためにこのような短編MVの形になった、ようです。公式サイトのクレジット(参照)の通り、ここで監督も脚本も絵コンテも1人で全部やっています。

今振り返ると、この作品は「自分が直接監督できるまではどれだけ時間がかかってもアニメ化しない」という決意表明そのものだな。

それで今度のアニメはどうなるのよという話

ここまでお読み頂ければ、なぜナナシスのアニメが「70分のOVA(劇場版)」という形態になったかはなんとなくお察しいただけるのではないかと思います。ここまでアニメ化が遅くなった理由も。

おそらく茂木さんが監督ないしはそれに相当する役職を務めると思います。最近はようやく共同制作で他のクリエイター入れることも多くなってきましたが(サウンド面での岡ナオキさんは代表的です)、それでも中心的な工程は自ら手がけることになるんじゃないかと思います。仮にプロジェクト長くなったからちょっと棘が取れて折れた末の企画だったとしても、70分の劇場上映アニメとかいうものすごい中途半端な形態はそうそう出てこないだろ。

あと最近はアプリ内のストーリーでは、アニメの前振りのように静止画を利用した簡易アニメーションが演出として取り入れられていて、その話も入れようと思っていましたが長くなるのでカットします。

内容どうなるの?新規で見に行けんの?

まじで何も発表されてないので完全に個人的な予想です。ほんとに話半分。

内容的にはたぶん何も知らなくても観れると思う。根拠はこれまでのナナシスのアプリ以外の展開(主にライブや曲)は、基本的にアプリ版とそんなにべったり連動させずに単体でも楽しめるように作られてるということ。

で、何やるかについては個人的に考えつく可能性は

①アプリ版のストーリーをそのままアニメ化

②アプリ版の世界観・ストーリーを引き継ぎつつ新作エピソード

③キャラや世界観はそのままだけどアプリ版と世界線を共有しない新作エピソード

④まったく別の世界観(年代)・新キャラを出す

くらい。

「①アプリ版のストーリーをそのままアニメ化」はおそらくないと思います。どのエピソードも基本的に長すぎるし70分でまとまるようなものがない。

「②アプリ版の世界観・ストーリーを引き継ぎつつ新作エピソード」「③キャラや世界観はそのままだけどアプリ版と世界線を共有しない新作エピソード」のどちらかが個人的には一番ありそうな落としどころだと思う。個人的には前者の方が可能性高いと思ってるけど、アプリ版と世界線分ける(キャラクターが記憶を共有してない)もあるっちゃあるかなと思う。

「④まったく別の舞台(年代)・新キャラを出す」はそんなん考える必要あるか?って感じだろうが、上に長々と書いたように実際1回やった。

また、この作品のストーリーの特徴に「年代を飛ばす」というのがあり、舞台設定は基本的には2034年の近未来に設定されているものの、2030年や2035年2037年2043年の話もやる(キャラクターが年齢を重ねていたり若い時の話をやったりする)という前例を考えると、舞台設定が「203x年」くらいになる可能性は十分にある。

いずれもしても今度は東映アニメーションという大きいスタジオが絡んでておそらく製作委員会だと思うので、少なくとも完全に閉じたファン向け作品ではないようになるかなとは思います。支配人の絶対数そんなおらんやろ。

EPISODEシリーズ完結のこと(番外)

アニメとは直接関係ないけど6周年でEPISODEシリーズ(アプリ版のメインストーリー)が完結することも発表されました。

これもどう読み取るか色々で、ラブライブみたいにスパッと解散みたいな雰囲気も感じるけど、個人的にはプロジェクト立ち上げた時の初期構想が全部終わるだけでナナシス自体はまだ続くってことでいいのかなと思います。

一応過去のインタビューの該当しそうなところ(あくまでインタビュー時点での話)。

ーーいつ終わるのかはわからないけれども、茂木さんのなかでは終わり方は決められているというのは理解しました。

茂木:終わりというか、僕なりのナナシスに対するけじめの話であれば、つけたいと思っています。ただ、ナナシスをどうするか、それこそ僕がこの現場から旅立った後にどうするかについてはもちろんのこと、もしかしたらけじめをつける前にサービスが終わってしまう可能性だってあるわけです。

あるいは逆にけじめをつけたとしても、ずっと続いていくかもしれない。そこに関しては、僕が全部コントロールしていると世間の人は思っているかもしれないですけど、そんなわけないわけです。

僕にそんな権限はもちろんない。世の中はそうではないんだよということは言っておきたいですね。

ーー「EPISODE 4.0 AXiS」を見た人ならば、今の茂木さんの言葉は納得できるのではないかと思います。

茂木:だから本当に未来のことはわからないんですよ。でも、けじめがあるとないとではそのあとも絶対違うと思う、きっと。それはそう信じたい。

とはいっても、EPISODE 0.7以降もまだお見せする物語はあるので、楽しみに待っていてくだされば光栄です。

『Tokyo 7th シスターズ』「EPISODE 4.0 AXiS」茂木伸太郎総監督インタビュー | アニメイトタイムズ

こんなところですかね。思ったより長くなってしまった。

個人的に感じることもさすがに色々あるけどまあ別の時に書きます。

今年の夏、公開されたらみんな観ようね。

*1:上に貼ったツイートだと6周年のタイミングで「総監督」は降ろした?