『I'll be→I wanna be』高山やなぎ (CV:早見沙織) from グラスリップキャラソンアルバム

僕はグラスリップという作品がひじょうに好きで、初見時から何度も見返している。聖地巡礼で福井にも行った。あるいはそういったことをした唯一のアニメがグラスリップでもある。

本編についてのまとまった文章はたぶんそのうちまた改めてたぶんそのうち書く。あとは何も言うな。どうせお前らにはわからんだろう。わからんだろうが。

そういうわけで本編については後回しにしますが、その前に書いておきたいことの1つとして、この作品はキャラソンがわりとよいというのがあります。そういえば深川芹亜さんは今シンデレラガールズの一員ですね。

その中でも突出して好きなのが今回の『I'll be→I wanna be』。

まずそもそも説明するまでもなく、早見沙織のキャラソンという時点で世にあまたと存在するキャラソンの中でも一聴の価値があることが約束されている。まずシンプルに曲が良い。曲調は一昔前のJ-POPシーンを思わせるR&Bで、これにはやみんの歌が載るのでまず間違いはない。あるいは製作側にそういう音楽趣味の人がいてどさくさに紛れて発注したのかもしれない。ソロ活動が始まったときからこの曲を超えるものが出てくるのをずっと待っている。

CDはランティスなのでサブスクはたぶんアニュータしかない。配信はあったのであなたたちも買え。

I’ll be→I wanna be

I’ll be→I wanna be

  • provided courtesy of iTunes

ただ、個人的にはこの曲には純粋に音楽的な面に加えて、キャラクターソングというカテゴリーからくる独特の魅力が秘められていると思う。

早見沙織さんの音楽素養からすると、こういうちょっと洒脱で都会的な曲って結構イメージとしてスッと受け取れるものだと思うんですよ。それはソロ活動の傾向からもわかる。

しかし、これを歌っているのが高山やなぎというキャラクターなところに妙味がある。一応グラスリップのあらすじを書いておくと北陸の寂れた湊町を舞台とした高校生6人組の一夏の群像劇――って感じ*1なんだけど、そういう作品における高山やなぎというキャラクターが『I'll be→I wanna be』の歌い手であるところに独特のよさが生じる。

北陸の日本海に面した小さな湊町で暮らしている等身大の高校生が、この洒脱で都会的な曲を歌うということ。そういうねじれ、変化、意外性。クラスメイトが休日にお洒落してる姿を見る感じ。特別な日の雰囲気。どう言ってもいいけど、高山やなぎが物語の中で見せるイメージと、この曲が与える情感とのギャップやアンバランスさが特有の魅力を生み出していると思う。もちろん早見沙織さんの歌唱も高山やなぎのキャラで歌っている。もうだいぶ長い間聴いてるけど、やっぱり少し幼さみたいなイメージを意識してるんじゃないかな?みたいな気がしてる。

畑亜貴さんはキャラソンは声を使った同人誌やサブストーリーを描ける、というようなことを仰っているらしいですが*2、あるいはそういう感じから来てる面白さに近いかもしれない。ちなみにグラスリップのキャラソンはイメージソングに近い作りで、他は結構ストレートにキャラのイメージを表現していると思う。個人的にキャラのイメージとのギャップや意外性を感じるのは『I'll be→I wanna be』だけ。

また、そもそもグラスリップというアニメは、作中でのキャラクターの心理がものすごく読み取りにくい作品です。あるいは心理に限らず作品の大半の何もかもがわかりにくい。鬼才・西村純二が相当にやりたい放題やったと思われる。そういう作品にあって、キャラソンというファンアイテム的なところからこういう曲がぽろっと出てくるのがなんかいいなぁと思う。

そういえばこの曲のきらびやかさってちょっと花火のイメージにも通じる気もしてる。花火の光に浮かぶ未来の幻視。作中で頻出する幻視や幻想のモチーフが、実体を持たない音楽に重なる。花火が尾を引いて消えていく先に音楽が残るみたいに。

 

★参考リンク

作品におけるキャラクターソングの立ち位置の解釈、『Forget me Not…』と『坂道の途中』 - qwert_4cb’s blog

色々と参照させていただきました。面白いです。

 

(※追記)

書いたあとで久しぶりにアルバム通しで聴いてたらCV:種田梨沙のこの曲もシューゲイザーみたいなギターでおもしろいことに気がついた。

君へとRefrain

君へとRefrain

  • provided courtesy of iTunes

 

*1:未見の人はここだけ見るといつもピーエーのアニメじゃんってなるであろう。私もそう思って最初はスルーしていたが物語が進むとどんどんピーエーのテンプレから脱線していく

*2:参考リンク先エントリ参照